女性の働き方、理想と現実
女性の社会進出は当たり前の時代になり、専業主婦よりも仕事と家庭を両立する「働く母コース」を理想とする女性は約6割。とくに若い女性では結婚・出産後も仕事を続ける形を理想としている人が多い傾向があります。
しかし現実は「育児が思った以上に大変」「家族の協力が得られない」「保育園に子供を預けられない」「職場で戦力とみなされず男性との格差を感じる」など家事や育児との両立は想像以上にむずかしく、仕事を辞めざるをえない女性が多いのが現状です。国立社会保障・人口問題研究所の調査結果によると、第一子の妊娠を機に退職した女性は約4割。働き続けたいという理想を持ちつつも、結婚・妊娠・出産というライフイベントで離職せざるをえない現実とのギャップに悩んでいるのです。企業にとっても、女性が培ってきたスキルや経験を手放してしまうことは大きな損失です。
では企業は、女性が離職しないですむためにどんな対策に取り組むべきなのでしょうか。
意識改革は必須課題
「上司に結婚を伝えたら、仕事辞めないのと言われてびっくりした」
「法律や制度ができたって、実際の現場では育休すら取りにくい雰囲気。私の先輩たちはみんな妊娠や出産を機にやめていきました」
似たような声が上がる会社だとしたら、これはかなりの危機感をもって早急に意識改革をすべきです。
日本企業における管理職の大半は男性です。その男性管理職の約4割が人事評価に際し性別による区別をしているという調査もあります。評価のみならず仕事の配分で区別をしている人は多いのではないでしょうか。また女性社員の場合でも労働時間が長い管理職を望んでいないことも多く、最初からキャリアアップをあきらめている人をよくみかけます。男性女性にかかわらず、意識改革は急務だということです。必要ならば研修などを用いて全社員の意識改革をし、女性が活躍でき働きやすい会社を作りましょう。
積極的に導入したい制度
働く女性を支援するために、法律で規定されている制度から企業が独自に取り入れている制度まで様々な制度が用意されています。
法律で規定されている制度
- 産前産後休業
- 産前6週間、産後8週間の休業が請求でき、出産手当金・出産育児一時金が支給される制度。
- 育児休業
- 子どもが1歳になる前日まで男女関係なく取得できる休業制度(理由によって最長2年まで延長可)。
- 短時間勤務
- 育児の場合1日の勤務時間を6時間以内に短縮できる制度。フレックスタイム制度、時差出勤などでも認められている。
- 所定外労働の制限
- 所定外労働(主に残業)が免除される制度。
- 子の看護休暇
- 病気や怪我をした子どもの看護のため年5日まで(子ども二人以上で年10日まで)取得できる制度。
- 生理休暇
- 月経による体調不良の際に取得できる制度。
企業により導入している制度
- 再雇用制度
- 結婚・出産・育児・介護・配偶者の転勤などの理由で退職した社員を優先的に再雇用する制度
- リモートワーク
- 会社に出社せず、在宅勤務などが可能な制度
その他に社内託児制度、子連れ出勤制度、ベビーシッターサービス制度などもあります。
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