1. 自律型人材の正しい育成方法とは?「自分で考えろ」ではダメな理由

自律型人材を育成するメリット

自律型人材を育成するメリット

自律型人材とは「自主的に課題を見つけ、自らも行動し周囲を巻き込みながら解決し成果を出す人材」を指します。具体的には以下のような特徴があります。

  • 豊かな発想力をもち、現状に足りないものを認識して創意工夫を重ねることができる
  • 高い目標設定をしてもその達成に強い信念を持つことができる
  • 周囲を巻き込んで物事を進められる高いコミュニケーション能力をもっている

ではこのような自律型人材を育てることが企業にとってどんなメリットがあるのでしょうか。

①生産性の向上
自ら考え行動するため上司からの指示待ちがなくなります。無駄な時間が削減され生産性の向上につながります。
②他社との差別化
常に新しい提案や改善が行われ、他社にはない強みを発信できる組織になります。
③組織の強化
周囲を巻き込んで物事を進めるので組織の課題や使命を共有化でき、難題を乗り越える力を持つことができます。

自律型人材の育成方法と注意点

自律型人材の育成方法と注意点
自律型人材の育成方法とは
自律型人材を育成するためには「責任ある仕事を任せてみる」方法があります。いきなり高いレベルの仕事を任せるのではなく、まずは本人の成長段階にあった仕事を任せてみます。失敗したとしてもそこで責めるのではなく、なぜ失敗したのかその原因を分析することで次の機会に生かせる経験になります。もちろんうまくいった場合でも何がよかったのか、さらによりよい結果になる方法はなかったかなど新たな課題を見つけ出す行動が育成になります。これを繰り返すことで自主的に動ける人材が育ちます。
そしてこの方法で重要なのが「指示を与えすぎない」ことです。つまずいた時に何でも指示するのではなく、答えのヒントになりそうな質問をしたり自分の経験談を交えることで自ら考える余白を残しておくことが重要です。
自律型人材を育成する際の注意点
自律型人材の育成には注意点もあります。
人事担当者は「何も教えずとも自ら考え行動する」ことを期待します。一方新人は「まずは何かしら教えてほしい」と考えます。この相反する考えが自律型人材の育成を難しくするのです。この乖離を埋めない限り自律型人材の育成は成功しません。そのため何もかも自分で考えろと丸投げするのではなく、考えや行動の基となる基礎部分はしっかり教える必要があります。その上で自ら考え行動するための実践練習として責任ある仕事を任せる方法を活用するといいでしょう。

自律型人材が育つ風土づくりを

自律型人材が育つ風土づくりを

自律型人材の育成は個人の教育に焦点があてられがちですが、実は自発的に行動する者が評価される職場の雰囲気が不可欠です。部下が自発的に発言や行動したときに、上司はただ褒めるのではなくよかった部分を具体的に認めます。すると部下は努力が評価されたと感じることができるのです。上司部下の関係だけでなく、社内全体でお互いが自発的に動いたことを認め合う風土ができれば「やってよかった」とモチベーションアップにもつながります。そして全体として自発的な行動が促され、結果的に自律型人材が育っていくのです。

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