ミレニアル世代って?その特徴とは
戦中生まれの「焼け跡世代」、第一次ベビーブームで生まれた「団塊の世代」、その子どもに当たる「団塊ジュニア」など、ある一定の時期に生まれ、社会的背景により大きな特徴を持った世代をこのように名前をつけて表すことがあります。同じように、1980年代から2000年代初頭に生まれた人たちは「ミレニアル世代」と呼ばれています。
「ミレニアル(Millennial)」とは「千世紀の」という意味で、21世紀を迎える節目の時期に生まれたことからこのように呼ばれますが、彼らはそれまでの世代とは大きく異なる特徴を持っています。
まず、生まれたときからPCやスマホが身近にあったため、彼らはデジタルネイティブであり、テクノロジーへの理解がデフォルトで備わっています。そうした環境により価値観や考え方もそれまでの世代とは大きく異なり、ブランドや肩書きよりも「内容」や「質」を重視して、人とのつながりを非常に大切にする傾向にあります。またSNSの発達によって人の本音が見えやすくなったためか、他者の考えや価値観を自分のそれと同じように尊重します。こうした特徴を持ったミレニアル世代が成人し、社会人として世に出て行くにあたって、社会の有り様を大きく変容させることが予測され、世界的に注目を集めています。
ミレニアル世代の望む働き方
「働き方」というポイントに絞ってミレニアル世代の特徴を見てみると、ブランドや肩書きを重視しないという特徴もあいまって、大企業の正社員であることよりも、自分にとって意味のある仕事という基準で職業を選ぶ傾向にあります。出世欲や上昇志向も薄く、フリーランスで複数の企業と契約しながら、中身のある仕事をする、といったワークスタイルが望ましいと考える人が多いようです。
そのため、副業を持つことや転職することにも抵抗がなく、むしろそうやって自身を磨き、スキルアップすることに余念がありません。大手有名企業であるかどうかは彼らにとって問題ではなく、プライベートの時間をしっかり持てるか、柔軟な働き方ができるか、福利厚生がしっかりしているなど、自身の希望するワークライフバランスを重視して会社選びを行う傾向が強くあります。
上司・人事が知っておきたい「ミレニアル世代を扱うポイント」
ミレニアル世代は、今後の労働市場における主役となっていく世代です。デジタルネイティブであり、自分と他者を同じように尊重できる彼らは、今社会が抱える様々な課題に向き合い、社会に大きな変革をもたらすキーマンになるかもしれません。
そんなミレニアル世代が持つ能力を、自社で最大限に発揮してもらうためには、彼らの考え方の特徴や生き方として重視するポイントを、まず私たちが理解しておく必要があります。彼らが組織の歯車としてではなく、個人として組織に貢献したいと考える傾向にあること、そして自らの成長やスキルアップを重要視している彼らは、適切な学習の機会と成功のチャンスを欲しているといことなども、忘れてはならないポイントです。
そんな彼らが自らの能力を十分に発揮できる環境を整えるには、企業はやはりこの辺で大きな組織改革を迫られることになるでしょう。長く続いて来た企業であればあるほど、風土を変えるのは簡単ではありませんが、そういった組織ほどもうかつてのやり方では新たな人材がのびのび活躍するのは難しい環境になっています。上司や人事、そして経営者がミレニアル世代をどう扱い、どうつなぎとめておくかで、今後の組織の存続が決まると言っても過言ではありません。