そもそも「人材育成」とは何か?その目的とは
企業における経営戦略の最重要項目の1つであり、同業他社との競争優位性のカギを握ると言われる社員の「人材育成」。これは、単にその企業で社員が行うべき業務を教える職業訓練的なものではなく、主体性や自立性を持って能動的に企業に貢献できる人材を育てる、という意味合いを含むものです。
つまり「人材育成=人を育てる」ということは、社会人として、人間として、その人の可能性を引き出す、ということが大きなポイントとなりますが、それだけでなく、その可能性を遺憾なく発揮できる職場環境を作ることもまた重要です。自分を高く評価してくれる環境があれば、人はますます能力を発揮でき、その組織に貢献したいと思うようになります。こうして優秀な人材が長く働きたいと思える職場は、企業理念が浸透した強固な組織へと変貌していくでしょう。人材育成は、組織を強くすることと同義だと言えます。
多くの企業が抱える、人材育成における課題と解決策
人材育成が重要であることは多くの企業が理解しています。にもかかわらず、うまくいかずに悩んでいる企業は数多くあるのはなぜでしょうか。人材育成においてよく見られる課題とその解決策をいくつか挙げてみましょう。
- 課題①:その組織における人材育成の目標が定まっていない
- 解決策最終的にどのような人材を育てたいのか、具体的な目標が定まっていないのに、やみくもに研修を受けさせても、業績向上や離職率減少にはなかなかつながりません。まずは現在その組織内で発生している問題を明確にし、育ってほしい人材像を具体化する必要があります。また、育成される側が自らキャリアプランを考えるような機会を持つことも大切です。
- 課題②:人材育成を行う立場にある人に育成能力がない
- 解決策人材育成を行うのは、直属の上司、人事部、あるいは経営者と、組織によって様々ですが、育成する立場にある人にコーチング能力があるのか、コンサルを派遣してもらったりセミナーを受けさせたりするべきなのか、そこをまずはっきりさせなければなりません。そのためには、やはりまず目下の課題と目標を明確にし、その上でどういうやり方が最適なのかを考える必要があるでしょう。
- 課題③:人材育成を行うための環境が整っていない
- 解決策人材育成を行わなければならないと思っていても、その立場にある人が業務過多で育成に裂く時間がない、人事部や経営者が人材育成に関して消極的であるなど、組織内の環境が整っていないために人材育成がうまく進まないというケースも多々あります。人材育成は業務の片手間にちょっと残業してできるようなものではありません。組織全体がその必要性を認識し、必要な予算と人員を割くことから始めましょう。
人材育成で忘れてはいけないこと
人材育成とは、長期的に見ればいずれその企業の根幹を成すことになる一大事業であると言えます。それゆえに一部の人間が片手間に行って達成されるようなものではありません。
上記に挙げたような、よくある課題と解決策を見ても明らかですが、人材育成には「時間がかかること」、「目標は組織によって異なること」という2点をまず念頭に置いて始めるようにしましょう。そして、本当に企業に貢献する社員を育てたいなら、画一化された人物象を押しつけるのではなく、1人1人の個性や可能性を引き出すことが重要であるということもまた、覚えておかなければなりません。
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